「弾幕で撃ち負けるから、障害物に押さえ込まれて負けてしまうんだ」
それが私がサバゲーを始めた当初に思いついた仮説でした。
しかし、その仮説は新たな謎を呼びました。
「でも、もし弾幕で勝負が決まるなら、一発で狙撃してくるベテランが居るのはなぜ?」
私がサバゲーに参戦した17年前。
すでに電動ガンはサバゲーのメインウェポンとして普及していたので
戦争映画のマシンガンのように連続射撃を浴びせられることは有りました。
反撃しようにも出来ず、障害物の影に隠れるのが精一杯。
無理に反撃しようとすれば、決まってHITされていた経験があるので
「サバゲーは結局は弾幕。BB弾をばら撒いたほうが勝つんだ」
と主張する人達が居るのも理解は出来ます。
その一方で、たった一発で自分を仕留めるベテランゲーマーにも数多く遭遇していました。
この疑問を完全に解明するのに、2年以上の年月を費やしましたが、撃たれて退場を繰り返すばかりの初心者だった河崎にも、1つだけハッキリ見えてきた事実があります。
それは
- サバゲーは初撃を決めなければ、優位性は一瞬で失われる
- 闇雲にBB弾をバラ撒いても、サバゲーでは通用しない
という厳しい現実でした。
<目 次>
初撃とは?
初撃(しょげき)というのは、敵に対して加えられる最初の一撃。
略して初撃という訳です。
敵に対して加える最初の一撃であれば
セミオートでの単発射撃も、フルオートでの連続射撃(弾幕)も
初撃と考えていただいてOKです。
概念としてはベテランゲーマーの間では存在していましたが
「初撃」という言葉が初めて使われたのは、私の記憶の限りでは
専門雑誌のとあるライターさんだったと思います。
雑誌で紹介されるノウハウは正直、微妙なモノも多いのですが
この「初撃こそが勝敗を決める」という考え方は
間違いなく正しいと私も実感しています。
初撃=先制攻撃ではあるが・・・
敵に対して加える最初の一撃が初撃となると
実質的には「先制攻撃=初撃」と言って差し支えないでしょう。
先制攻撃と同じく初撃は基本的には敵ゲーマーに命中させやすく、勝敗に直結してきます。
というのも、サバゲーで敵ゲーマーを倒すためには、まず相手がドコに居るか?判っている必要があるから。
野外であれ、屋外であれ、敵ゲーマーは障害物に身を隠すだけでなく、コチラの監視を掻い潜って動き回る事すらあるので敵ゲーマーを見つけ出すのは、想像以上に苦労します。
しかし、それは敵ゲーマーも同じです。
誤解を恐れずに言えば、サバゲーは敵ゲーマーを発見できれば、相手はコチラに気付いていない事も多い訳です。
たとえば、上画像のようにバリケード背後に潜伏している敵ゲーマーの向かって左側面への隠密移動すると・・・
コチラに気付いていないので、左側面への防御体勢が不十分で相手の身体が露出している事も少なくありません。射撃が命中しやすく、先制攻撃を仕掛ける側が有利になります。
初撃を仕掛けるには、理想の状態でベテランゲーマーでさえも比較的あっさりHITできる事さえ珍しくありません。
これがサバゲーの面白い所でもあり、難しい所でもあります。
初撃をハズすと先制攻撃ではなくなる
敵ゲーマーを発見=先制攻撃のチャンスとなるサバゲー。
特にあなたが先に発見した敵ゲーマーが、あなたに気付いていない状態であれば
初撃を放った時点で、勝負が着くことが殆どです。
上画像のような状態であれば、まず先制攻撃した側が相手をHITし「勝負アリ」となる状況ですが・・・
万が一にも初撃を外してしまうとどうなるか?
さすがに相手も気付き、すぐに障害物へ隠れてしまうか
最悪、コチラへ反撃してくる事もあります。
上画像のバリケードは画像奥に伸びているので、敵ゲーマーは奥へわずかに移動するか、しゃがむだけで、全身を完全に隠すことが出来てしまいます。
こうなると、相手がコチラへ反撃しようとバリケードから身を乗り出さない限り、攻撃が命中する可能性は極めて低くなります。
「でも、敵が同じ位置から反撃してくるなら、攻撃のし易さは変わらないのでは?」
と思われたかも知れませんが、本当にそうでしょうか?
というのも
初撃から生き延びた敵ゲーマーがあなたへ防御体勢を採ると、あなたが初撃を加えた時よりも敵ゲーマーは身体の露出を抑えるので的としては小さくなるのです。
最初の画像を見比べてみると、その差は一目瞭然ですね。
つまり、より精度の高い射撃を、敵が反撃してくる状況下で要求される事になります。
初撃の後に続く攻撃は、もはや先制攻撃ではなくなり、一瞬にしてあなたの優位が失われた事がお判り頂けると思います。
また、敵が一目散に逃げ出したとしても厄介です。
また、索敵(敵を探す段階)からやり直しになるからです。
サバゲーで有利と言われる先制攻撃が成立しているのは初撃のみです。
そして、初撃が敵ゲーマーに回避されたり、ミスして外してしまうと一瞬にして先制攻撃としての優位性は失われ、返り討ちを喰らうこともある。
サバゲーで敵ゲーマーを倒したいなら初撃は絶対にミスできない訳です。
初撃としての効果は撃ち始めから5発まで
「だったら、フルオート射撃をすれば、初撃のミスをカバーできるんじゃないか?」
残念ながら、その認識は甘いと言わざるを得ません。
敵ゲーマーの防御体勢や回避行動を取る事を考慮するなら、もう1点、厳しい現実に気付くはずです。
「セミオート射撃でもフルオート射撃でも初撃と捉えてOK」とお伝えしましたが・・・
初撃として機能するのは撃ち始めの1発目から5発目までという事です。
コチラに気付いていない敵ゲーマーに対して
もしフルオートでの初撃を外してしまった状況を例に考えてみます。
当然ながら、敵ゲーマーはあなたからの攻撃を回避する為に、すぐに防御体勢を整えるはず。
もちろん、あなたはフルオート射撃をしているので
敵ゲーマーへ向けて多数のBB弾が飛翔中です。
しかし、大半のBB弾は相手は障害物に身を隠してしまってから
敵ゲーマーに到達するので、命中する可能性は極めて低いのです。
私の経験では、相手の実力にもよりますが
フルオート射撃をしても初撃として有効なのは最初の5発、精々10発まで。
それ以降に続くBB弾はほぼ命中する事がないのです。
一応、隠れた敵ゲーマーの動きを阻害する「牽制(けんせい)射撃」としての効果は期待できますが、あなたがフルオート射撃を辞めた途端、反撃してくる可能性は高いです。
セミオート射撃はもちろんですが、フルオート射撃でも、初撃としての効果が期待できるのは5発まで。と心得て大事にチャンスをモノにしていきたい所ですね。
初撃の成功は隠密行動がカギ
では、初撃を成功させるポイントについてお伝えします。
当然ながら、まず敵を発見する事が前提になりますが、初撃を加える前の段階から
敵の警戒心や注意を喚起しないように行動する事が非常に重要です。
- 隠密行動(足音を消す、ダッシュを控える等)
- 味方の射撃音に紛れて行動
前述のとおり、初撃が成功するのは、敵が気付いていない事が条件の1つになるからです。
たとえ、敵ゲーマーの側面や背後に回りこんだとしても、それまでに派手に足音を立てたり、射撃を繰り返して敵ゲーマーを警戒させてしまうと敵がその側面や背後へ防御・反撃態勢を整えてしまったり、あるいは、別の場所へ移動されてしまっては意味がありません。
先ほどのバリケード左側面へ回り込む際に、派手に足音を立てて移動すると敵ゲーマーは上画像のように防御体勢をしっかり整えて、あなたを迎撃してくる公算が高くなる訳です。
そうさせない為にも、初撃を加える前から隠密行動に徹したり、敵や味方の射撃音に紛れての行動がカギになります。
バラマキ射撃は効率が悪い
ちなみに初撃の成功を最も遠ざける射撃方法が「極端なバラマキ射撃」です。
バラマキ射撃は、電動ガンなど連射性能にすぐれたエアガンを使用し、敵を発見しようがしまいがお構い無しに、ゲーム開始直後から延々と射撃を続ける行為です。
派手なアクション映画よろしく、銃を左右にブンブン振ったりする訳です。
スゴイ人になると、1試合で3000発を使い切ってしまう人も居ます。
私は激しい銃撃戦でも1試合で200発撃つ程度なのでバラマキ射撃がいかにBB弾を撒き散らしているかがお判りいただけると思います。
フィールドのルールに抵触していなければ、ルール違反ではないので私としても特に文句はないのですが・・・
サバゲーの戦術的には、効率が悪いのは間違いありません。
まず、初撃の成功を難しくし、敵の警戒を惹いてしまうからです。
そもそも、派手にBB弾をバラマキ射撃している本人が目立つので真っ先に狙われる事が多い。
(映画ではお馴染みで、カッコイイですけどね^^;)
あなたが本気でサバゲー上達をしたいのなら、
少なくとも、敵を発見していない状態での無目的なバラマキ射撃とは縁を切るべきです。
初撃を意識するようになるとどうなるか?
私が初撃の重要性を意識するようになったのは、初心者として上達に伸び悩んでいた時期で
サバゲーの劇的上達を果す2000年9月24日より前でした。
敵ゲーマーを1日に1HITできるかどうか?のダメダメな河崎でしたが、それでも丁寧に狙って撃つほうが初撃でスムーズに敵ゲーマーをHITできた経験をしていたからです。
ただ、ブッシュの濃いフィールドで戦う事が殆どで敵ゲーマーを発見するのに非常に苦戦したので、初撃を仕掛ける機会そのものが極端に少なく、その本当の重要性を痛感するのはサバゲーを劇的に上達した後でした。
初撃を撃つ機会が急増すると
- 初撃を外すと一瞬にして優位性が失われる
- ゼロイン、HOP調整のミス(甘さ)が初撃の失敗に直結する
という事実を体感するに至り、初撃の1回、1回を考えて撃つようになりました。
その結果、どうなったか?
初撃の成功率が上がったのはもちろんですが
なにより敵からHITをスムーズに取れるようになったのです。
パスッ・・・「HIT!!」
パスッパスッ・・・「HIT!!」
パスッ・・・「HIT!!」
パスッパスッパスッパスッ・・・「HIT!!」
と言った具合に、派手な銃撃戦に発展するより先に、私が初撃を撃った直後に敵ゲーマーからHITコールを聞くという一方的な状況が繰り返される事も日常になったのです。
逆にいえば、派手な銃撃戦の応酬を繰り返し、なかなか敵ゲーマーからHITコールを聞けないときは調子が悪いという事になりますね。
これは河崎だけに限った話ではなく、ベテランゲーマーさん達に聞いてもほぼ同じでした。
サバゲーにおいては、一撃必殺はスナイパーだけの専売特許ではないのかもしれません。
ぜひ次回のサバゲー参戦時から敵に放つ最初の一撃である初撃を大事に
サバゲーを戦ってみてください。
派手な銃撃戦の応酬とはまた異なった
静かな興奮の世界があなたを待っているはずです。